浪花酒造の仕込み水はすべて井戸水(地下水)。
これは和泉山脈からの伏流水。
酒蔵の近くに男里川(おのさとがわ)が流れているが、この川の水も地下に浸み込んでゆき伏流水となっている。
この伏流水を守るには、男里川をきれいに保つことが一番だということで、8年前に「和泉の水を育む会」という会を設立した。
メンバーは、私を含め、自然環境に危機を持ってる人、地下水でスイミングプールを経営してる人、元学校の先生、漁業組合長など数名。
いろいろ議論している中で、やはり行政との共同事業でやってゆかないと、少人数では川の環境を守ってゆくのは難しいとなり、阪南市、泉南市、大阪府土木事務所、他の環境保護団体との協同事業「男里川 環境保全委員会」という組織を作った。
その委員会では、市民も巻き込み男里川一斉清掃、親子水生生物観察会、小学生対象の水辺の学校、小中学生の環境美化ポスターの募集など行なってきた。
この活動を通じ、川といってもただ山から海に水を流すだけの役割ではなく、多くの生き物の生活の場だと知った。
川にジュースや牛乳などの飲み残しを捨てるだけでも大きな汚染になることを知った。
川をきれいにすることは、その水が流れ込む海もきれいにすることになり、海の魚のためにもなることを知った。
この活動をもっと広め、子や孫の代まできれいな男里川またその地下水も守ってゆかねばと思っている。
江戸時代から続く地酒蔵の蔵元 成子 和弘