【日本酒の基礎講義】Part1 日本酒のラベルの用語解説①

2024/06/12
by 成子 和弘

今回より、日本酒の基礎知識について、ご紹介していきたいと思います。
このブログを参考にしていただいて、明日からの日本酒ライフに役立てていただければと思います。

今回は第1回目なので、「日本酒のラベルの用語がわからないんだけど〜」という方に向けて書いています。

確かに、日本酒のラベルは用語が複雑で、そもそも意味がわからなかったり、わかったとしても、だから何となってしまいがちです。
しかしながら、一度日本酒のラベルの用語を理解すると、その日本酒がよりイメージしやすくなります。
本ブログを読んでいただくと、ラベルに書いてある用語がすっと頭に入るようになります!

それでは、本題に入りましょう!

◯ラベルの見方〜ややこしい用語2選

日本酒のラベルには様々なことが書かれています。
とっても有用なことが書かれているのですが、いかんせん用語が難しくて、専門家でないと理解できないような言葉が平気で使われています。
ラベルに書かれている用語を理解するだけでも、グッと日本酒が身近に感じられます。
では、ラベルの基本的な用語について解説します。

・精米歩合:お米を削って残った米の部分の割合。

 よくある勘違い→×お米を削り取った割合
 なので、数字が小さいほどたくさん削られている。

 ややこしい話ですが、低精米=精米歩合の割合が大きい(例えば、精米歩合90%など)ことを指します。
 なぜならば、精米歩合が低い→精米されている割合が低い→米の残っている部分が大きいというロジックになるからです。
 普通に考えると、精米歩合の値が低い→米の残っている部分が少ないと思ってしまいますよね。汗

 一方、高精米=精米歩合の割合が小さい(例えば、精米歩合30%など)ことを指します。
 先ほどとは逆のロジックになります。
 なんともわかりづらいですね、、、苦笑

 なのですが、英語ではHigh polishing ratio=低精米となります。!!!????
 High polishing ratioなので、直訳すると高精米になるように思いますが、そうではなく、polighing ratio(精米の歩合)がhigh(高い、大きい)と考えるため、訳すと高精米ではなく低精米となります。
 書いている筆者でさえ混乱します。笑
 なので、筆者は説明する際は、低精米や高精米という言葉は使わず、よく磨かれているお米やあまり磨いていないと言います。
 (普通に磨き歩合とか磨き率にした方がわかりやすい気がしますね笑)

 では、精米歩合が高い(低い)とどのような影響があるのかを説明します。
 お米は、外側の部分には旨味成分が多く含まれており、中心にいくほど旨味成分は少なくなります。
 かの有名な山田錦をはじめとする、いわゆる酒造好適米(読んで字の如く酒造りにめっちゃ適しているお米という意味です、また酒造公的米についても取り上げます)は、中心は空洞になっています!!(これを心白といいます。)

 ということは、よく削る→旨味成分が削られる→よりクリアな酒質になります。
 一方、あまり削らない→旨味成分が残る→旨味がしっかりあるどっしりとした酒質となります。
 ただ、旨みが多すぎると、もはや雑味に感じられることが多いため、どんなお酒であっても基本はある程度は精米されます。
 もちろんこれはあくまで一般論であり、必ずしもそうなるとは限りません。
 また、ほんの一例であり、これが全てというわけではありません。
 一番わかりやすいであろうところをピックアップしました。
 ただ、傾向としてはそうなりやすいというふうに理解してください。

 なので、どのようなお酒を飲みたいか(クリアな酒質かどっしりとした酒質か)を基準に選ぶといいと思います。
 とはいえ難しいとおもいます。

 また別途取り上げますが、日本酒の基本は飲み比べ、特にビギナーの方は極端なものの飲み比べだと思います。
 酒質がイメージできる人は、上記を基準にして選んでいただくといいですが、そもそもわからないという人は、2つ極端なものを選んで飲み比べることをお勧めします。

 精米歩合でいえば、1つは高精米(40%など)ともう一つは低精米(70%など)を買って両方を飲み比べてみるということです。

 例えば、弊社のお酒で言えば、一つは大吟醸(精米歩合40%)、もう一つは特別純米(精米歩合60%)を買って飲み比べてみるといいと思います。
 飲み比べについて書き出すと長くなってしまうので、また後日別の記事を書きたいと思います。

 精米歩合だけでもこれだけ説明しないといけないですから、いかに日本酒が難しい用語を用いているかがよくわかりますね。(書いていてより痛感します)

・製造年月

 これも非常にややこしい言葉です。

 皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか?
 私なら、「造った年月なので、搾った年月かな?」なんて思ってしまいます。(業界人失格ですね笑)

 原則の定義は、瓶詰をした年月になります。
 しかしながら、現在は瓶詰めした後そのまま出荷するのではなく、一旦冷蔵庫で貯蔵してから出荷するという形式が増えています。
 なので、法律上も出荷のために冷蔵庫から出した年月を製造年月としていいというルールになっています。
 多くの酒蔵さんはこの法律に則り、冷蔵庫から出した日を製造年月としています。
 ですので、製造年月が直近の年月になっているけれど、中身は昨年以前に造られたお酒ということも普通にあります。
 これもかなりややこしいですよね、、、汗

 ですが、製造年月が直近のものの方が、より直近で冷蔵庫から出されたということになりますので、日本酒を選ぶ際にはぜひチェックしてほしいところです。

 特にスパークリングや生酒等発酵の進んでしまうものは、製造年月が古いものだとかなり酸っぱくなってしまっている等の諸問題が起きてしまう可能性があるからです。

 ちなみに、外国人は賞味期限と勘違いしてしまうケースが多くあるみたいです。

 これも表現を改めた方がいいような気がしますね。(出荷年月等)

本当はもっと書きたいのですが、とても長くなってしまったので、今回はこの2つの用語に留めておきます。
最後にまとめておきましょう。

<本日の要点>

☆精米歩合のポイント
・削って残ったお米の割合
・お酒の旨みの大小に関わってくる
・高精米と低精米のお酒を飲み比べてみて酒質の違いを理解しよう!

☆製造年月のポイント
・出荷した年月
・直近のものを選ぼう!

最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回はラベルの用語解説②として、生酒等の用語について解説していきます。
お楽しみに!!

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