【日本酒の基礎講義】日本酒のテイスティングと飲み比べ

2024/06/24
by 成子 和弘

前回まではラベルの用語について、筆者の主観も交えながら解説させていただきました。
いかがだったでしょうか?

今回は、日本酒を”飲む”ということについて深掘りしていきましょう。

日本酒を飲むことを唎酒と言ったりします。
唎酒には大きく分けて2種類あります。

①嗜好型の唎酒〜主観的唎酒
 唎酒する人の嗜好そのもの(好き嫌い)で判断する唎酒方法。
 業界に関係のない一般消費者の飲み方です。
 簡単に言えば、美味しいか美味しくないかを判断する飲み方です。
 これについては、完全に好みになりますので、ここで言及するのは避けようと思います。

②分析型の唎酒〜客観的唎酒、いわゆるテイスティング
 唎酒する人が、唎いたお酒を客観的に表現、評価する唎酒方法。
 主に、外観・色調、香りや味わいを評価します。
 今回はこの分析型の唎酒について掘り下げ、客観的に評価する方法をお伝えしたいと思います。

◯分析型の唎酒の方法

・手順

 1.外観・色調を観察します→製造から時間が経つほど色が黄色くなり、さらに茶色くなります。
  色調から熟成度合い等を読み取ることができます。

 2.容器に花を近づけ、香り(この香りを上立ち香という)を確認します。
  香りが華やかか穏やかか、控えめか、そして香りの特徴(りんご様、バナナ様など)を確認します。
  同時にオフフレーバー(嫌な臭い、例えばカビ臭など)がないかチェックします。

 3.少量を口に含み、鼻に抜けた香り(この香りを含み香という)を確認します。
  先ほどの上立ち香と同様の香りか、差異はないか、オフフレーバーはないか等確認します。
  香りの強度も確認します。

 4.舌の上の味(甘味・酸味・旨味・苦味・渋味)及び口当たり(刺激の有無・きめ)を確認します。
  いわゆる甘口の酒なのか辛口の酒なのかと言ったことや、酸味が浮いていないか、旨みが多く雑味になっていないか等確認します。
  また、口当たりも確認し、舌を刺すような刺激はないかと言ったことも確認します。

 5.飲み込んだ後(吐き出した後)の後味(きれの良さ)を確認します。
  甘さ等が口に残らないか、余韻はどうか等を確認します。

 こういった手順を踏んで日本酒を客観的に表現・評価します。

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