今どき、井戸水を使っている家はほとんど無いだろう。
もし井戸が残っていても、飲み水として使えるところもほとんど無いだろう。
浪花酒造の井戸は、300年前の創業当時からずっと湧き出ており、これまで涸れたという話を聞いたことがない。
酒造期間は、仕込みだけでなく、酒米、酒造用具、タンクなどの洗浄に毎日何千リットルもの水を使う。
今でも全く涸れない。
浪花酒造の命と言っても過言ではない。
食品メーカーで井戸水を使う場合、食品衛生法で26項目(細菌、水銀、ヒ素、鉛、フッ素、有機リンなど)すべての基準値をクリアーしないと使用不可だ。
毎年、検査機関で検査してもらっているが、毎年すべてクリアーしている。
和歌山との県境、和泉山脈に20年前降った雨が長年に渡り地下できれいにろ過され井戸水となって湧き出ている。
この命の水が汚染されないよう、常に周囲の環境に気を配ってゆかねばならない。
江戸時代より続く酒蔵の蔵元 成子 和弘