私は、大学を卒業したあとメルシャンワインに入社。山梨県のワイン工場でワイン製造していました。ワインと日本酒の製造方法を比べるとワインはメチャクチャ簡単です。ブドウを破砕しジュースにしてタンクに投入、酵母を入れるだけ。1週間~3週間の発酵でワインになります。ワインの良し悪しは、8割方その年のブドウの出来で決まります。よく何年産のワインがいいと言いますが、それはブドウの出来が良かった年です。貯蔵年数ではありません。貯蔵年数が長くて美味しいものもありますが、味の評価だけでみると5年くらいが最高。もっと古いのは骨董品的な価値です。
販売戦略として一番の違いは、ワインは10万円、20万円のものがいくらでもありますが、日本酒はいくら高くても1万円。10万円のワインと言っても原料はブドウです。ダイヤモンドが原料ではありません。それでもそんなに高く販売できるのは、ストーリーや付加価値を作るのが上手なのです。日本酒はワインに比べ10倍くらい手間ひまをかけて製造しているのに、1万円以上のものが無いに等しい。どこの日本酒メーカーもストーリーを考え、自信を持って5万円、10万円の商品を作っていって欲しいです。