さて、今回では、いよいよ 『吟醸酒』 について、書いていきます。 これこそ、日本酒の醍醐味とも言えるお酒です。
これらの日本酒の作り方は、基本的に一緒です。
吟醸酒の場合、原料となる米を、60%以下にまで削ります。
そして、吟醸酒全般の特徴としては、フルーツの香りがします。
・・・信じられませんよね?
お米のみが原料である日本酒に、なぜフルーツの香りが? ・・まさか、ひょっとして香り付けの香料を混ぜてるとか?
じつは、ちがいます。
フルーツの香りがする、魔法のモトをお教えしましょう。
・米
・米麹
・醸造アルコール(純米吟醸・純米大吟醸の場合は使わない)
です。
お米を削ることを『精米』というのはお話ししましたが、 実は、これにはすごく時間がかかるのです。
「なぜ大切なお米を削ってしまうの? 削ったら栄養が無くなるんじゃないの?」 そんなふうに気になった方もいるかもしれません。
実はここには、日本酒がおいしくなるための秘密が隠されていたのです。
お米には、デンプン質の他に、タンパク質も含まれています。 日本酒を造る際には、お米のデンプン質が必要なわけですが、お米のタンパク質は、 日本酒本来の味の邪魔になってしまうのです。
お米は、外側の部分にタンパク質が多く含まれていて、純粋なデンプン質はお米の 中心部にあります。
そのため、お米の外側のタンパク質の部分を削ることで、味の邪魔になる成分を 取り除きます。
その精米されたお米に、麹菌を繁殖させた後、酵母を使って発酵させるのですが、 ここで面白い現象が起きます。
酵母はお米の栄養分を発酵させてアルコールにするのですが、よく精米されたお米では タンパク質がほとんど無いため、酵母にとっての栄養分が足りないのです。
このままでは充分に発酵することができません。 酵母はそこで、信じられないような魔法を使います。
なんと酵母は、自ら栄養素を作り出し、足りない分を補おうとするのです。
もちろん、味のほうも、余分なタンパク質がなくなるため、雑味がない、 お米のうまさを充分に引き出した味になります。
そしてこの発酵段階で、微量の醸造アルコールを足すと、より香りが増し味がキリッと 引き締まります。
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このあたりは個人の好みにより、どちらが好きか別れると思います。
お値段は、やはりお米をたっぷり使うため、純米吟醸のほうが多少高めになります。 詳しくは下のページをご覧ください。 商品一覧
日本酒の最高峰のはずの大吟醸酒。 実は、それを超える究極の日本酒が存在します。
次回では、その究極の日本酒についてお話します。