令和元年10月、日本に上陸した台風19号、全国各地に甚大な被害をもたらした。あちこちの大きな河川が決壊し浸水、なんと全国で10万軒の家屋に被害にあった。瓦が飛ばされた家屋も多く、台風通過後多くの家の屋根がブルーシートで覆われた。浪花酒造の酒蔵と本宅の瓦も2tトラック3台分飛ばされた。瓦業者に点検してもらったところ、瓦を葺いてから150年~200年経っておりもう寿命だと言われた。また瓦の下に厚い土を敷いているが、それが非常に重く大地震に弱い構造になっているとの事。今回の災害を機会に瓦を葺き替え、また瓦の下には土を敷かずに断熱材等で軽くすべきだとアドバイスいただいた。そうして令和2年は酒蔵の瓦、令和3年は本宅の瓦を葺き替えた。どちらも3万枚の瓦の葺き替えで4ヶ月近くかかった。台風対策として、瓦を漆喰(しっくい)と針金で固定した。大規模工事のため会社事務所も移転しなければならなかったが、なんとか今年の5月にやっと葺き替えが終了した。今回の葺き替えで200年後まで大丈夫だという事だ。文化財建造物を守ってゆくのはたいへんだが、やはり何百年も続いた日本の素晴らしい伝統は守ってゆかなければと思う。