抗生物質とは微生物が生産し、他の有害な微生物の発育を阻害する物質です。約100年前イギリスのフレミング博士が、青カビがペニシリンという薬(抗生物質)を作ることを発見。肺炎、気管支炎、中耳炎、扁桃腺などさまざまな感染症治療の薬として活躍してきました。お酒もカビや酵母という微生物が作ります。微生物を活用するという意味で、大手の酒類メーカー、ビールメーカーも抗生物質の製作また研究開発をしています。私もメルシャンというワインメーカーに勤めていた頃、1年間抗生物質研究所に配属されました。放線菌という微生物に過激な薬品を散布またレーザー光線など照射し、突然変異を起こさせ、より有効な抗生物質を作るという仕事をしていました。しかし実際はそう簡単に効果は出ません。ただ美味しいお酒を造るための酵母開発も、薬品用微生物の開発も作業としては同じことです。今後も清酒酵母の開発がさらに進み、より美味し日本酒が誕生してくると思います。