吟醸酒の定義は、酒米を60%以上精米した米(玄米重量の60%以下まで精米した米)で仕込んだ酒だ。
玄米の周囲の黄土色部分は脂肪やたんぱく質、中心付近の白い部分が純粋なデンプン。
周辺部分の脂肪やたんぱく質は、お酒にとって雑味のもとになり、純粋なデンプンで仕込むと雑味のないきれいな酒になる。
吟醸酒や大吟醸はお米を小さくなるまで削り、純粋なデンプンのみで仕込むので値段が高い。
お酒の発酵に重要な役割を果たすのは酵母。
その酵母の開発で、あまり精米しなくても吟醸酒のようなフルーティーな酒ができるようになってきた。
去年、大手メーカーが70%精米の米で製造した「しぼりたてパック」が吟醸酒のような香りと味わいで大きな話題となった。
今日65%精米の地酒メーカーの冷酒を飲んだが、これも吟醸酒のような味わいだった。
もちろん、あまり精米していない米なので安い。
これからは酵母開発競争で、安くて吟醸酒の味や香りの冷酒がどんどん出てくるに違いない。
江戸時代より続く大阪地酒蔵の蔵元 成子 和弘