<しぼり>
発酵が終われば、しぼり機でしぼります。
昔ながらの槽しぼりと、横型のしぼり機があります。
しぼり板に酒粕がくっついているので、1枚1枚手作業ではがします。
<仕込み>
仕込みタンクに麹、酒母、仕込み水、蒸米をいれ、かき混ぜ捧でかきまぜます。 このとき、温度は15度くらいになります。
仕込みタンクは、温度が均一になるよう毎日かき混ぜます。そのあと発酵温度を計って、毎日記録します。
麹乾燥室は、佐藤杜氏の要望により作りました。部屋の温度は、15度くらいに保たれています。
なぜかというと、麹室の温度が35度、そして外気温が5度。いきなり麹を30度も温度差のある場所へ出すと、水分を吸って良くないので、いったん15度の部屋にいれて、徐々に麹を慣れさせてゆくのです。
●乾燥させる頃合も、名人杜氏が見た目、味、におい、触感で判断します。寝かせた後の麹は、食べてみると、栗のおいしい味がします。栗の味に近いほど、おいしいお酒ができるそうです。
<蒸米>
お米を大釜に乗せ、蒸します。このお釜も、ボイラーも相当大きなもので、湯気でまわりが見えないくらいです。
どれくらいの蒸気圧で何分蒸すか、米によって違うので、それも杜氏が毎日判断して決めます。
酒米の選定は一番重要な作業のひとつ。 地域により年々、米のできばえが違うので、相当丹念に選ばないと、気に入ったものが手に入りません。 吟醸関連のお米は主に酒米の王様、兵庫県産の山田錦を使用しています。 お米を磨けば磨くほど(精米歩合の値が小さいほど)雑味のないきれいなお酒になります。 弊社の精米歩合は、吟醸酒60%、純米吟醸50%、大吟醸40%です。
●酒造用の米は食用の米と違い、たんぱく質が少なくやわらかいのです。炊いても腰がなく味気がありません。
<洗米>
洗米は、いい酒造りにとって一番大事な工程です。
10kgずつザルに入れ、ひとザルずつていねいに洗います。
洗米の仕方、また浸漬時間によって米の蒸し上がりが全然違うので慎重に作業します。
<仕込み水> 蔵のある泉州地域は和泉山脈からの清冽な伏流水により、文字通りとても豊富で良質の地下水に恵まれています。 仕込みに使っている蔵内の井戸は創業以来300年一度も枯れたことがありません。