<蒸米>
お米を大釜に乗せ、蒸します。このお釜も、ボイラーも相当大きなもので、湯気でまわりが見えないくらいです。
どれくらいの蒸気圧で何分蒸すか、米によって違うので、それも杜氏が毎日判断して決めます。
【二重蒸気層の蒸米器】
平成14年の冬季に導入した二重蒸気層の蒸米器。
これを使うと、米の蒸しが蒸米の理想と言われる 「外剛内軟」になります。
簡単に言うと、蒸米が一粒一粒サラサラの状態なのです。
それでいて、一粒一粒は柔らかい。
今までの蒸米は、蒸米どうしがくっついて、だんご状態になっていました。
「外剛内軟」の蒸米だと、麹菌が米の表面だけでなく、米の中まで 繁殖してゆけるので、均一に米を糖化できるのです。
<米の放冷>
蒸しあがったお米を、シャベルで掘り出します。湯気も熱いし、力仕事なので、汗ダクダクの作業・・・。
布でくるんで運ぶのも、すべて手作業で行います。
蒸した米の2割を麹室に入れます。残りの8割は、そのまま仕込みタンクに入れます。
<製麹>
麹菌の種を散布し、むらがなくなるように、人の手によって、まんべんなくほぐされます。
そして布をかけて、麹菌を繁殖しやすくします。
麹室の温度は、35度。
入ると、あたたかくて、麹のにおいが充満してます。
●麹造りは、赤ちゃんを育てるのと同じくらい大切に行ないます。
大吟醸の麹造りは、夜中でも3時間置きに様子を見て、室温を調節したり、かき混ぜたりし、最も自然に麹が繁殖するよう見守り ます。
一晩ねかせたお米は、麹菌が繁殖して、表面が、ちょっとうぐいす色っぽくなります。
発酵しているので、中のほうがあったかくなります。
40度くらい。
一晩たったら、固まった米を再度、ほぐします。
機械だと麹菌がとんでしまうので、手作業です。
そうして、むらなく、麹菌を繁殖させます。
●赤んぽうをくるむように、やさし布でくるみ、寝かせます。