一般的なきき酒の方法はお酒を口に含んだあと、口から軽く息を吸い込み、ズルルと音を立てお酒が舌全体に行き渡るようにし味を見そのあと吐き捨てます。
飲むと酔ってしまって味がわからなくなるからです。
舌先は甘味を感じる部分、舌の両端は苦みを感じる部分、舌の奥は辛さを感じる部分など、感じる部位が分かれているので舌全体に行き渡るようにして総合的な判断をしています。
特に品評会の審査員は一度に何百ものお酒をきき酒するので、ひとくち口に含んだ感覚のみで判断しています。
でも実際、食事時にお酒を飲む時(晩酌)はズルルなんて音を立てず、すぐに飲み込んでしまいます。
その上ひとくちだけじゃなく同じ酒を何杯も飲みます。
こういう理由で、品評会で好成績のお酒はひとくち飲むのには美味しいけど、何杯も飲んでいると飲み飽きてしまうことがあります。
逆にひとくち目はそうでもないけど、何杯も飲み続けられる酒もあります。
美味しいお酒って時と場合によって違うし、何を食べながら飲んでいるかによっても変わるのでなかなか難しいです。
江戸時代より続く大阪地酒蔵の蔵元 成子 和弘