抗生物質とお酒

2021/06/02
by 成子 和弘

抗生物質とは微生物が生産し、他の有害な微生物の発育を阻害する物質です。
約100年前イギリスのフレミング博士が、青カビがペニシリンという薬(抗生物質)を作ることを発見。
肺炎、気管支炎、中耳炎、扁桃腺などさまざまな感染症治療の薬として活躍してきました。

お酒もカビや酵母という微生物が作ります。
微生物を活用するという意味で、大手の酒類メーカー、ビールメーカーも抗生物質の製作また研究開発をしています。

私もメルシャンというワインメーカーに勤めていた頃、1年間抗生物質研究所に配属されました。
放線菌という微生物に過激な薬品を散布またレーザー光線など照射し、突然変異を起こさせ、より有効な抗生物質を作るという仕事をしていました。
しかし実際はそう簡単に効果は出ません。

ただ美味しいお酒を造るための酵母開発も、薬品用微生物の開発も作業としては同じことです。
今後も清酒酵母の開発がさらに進み、より美味し日本酒が誕生してくると思います。

江戸時代より続く大阪地酒蔵の蔵元 成子 和弘

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