酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)二次試験論述対策①~青森県編

2021/08/25
by 成子 和弘

青森県(P.110-111)
~弘前周辺と八戸近辺を中心として

忙しい方は④のみをご覧ください。(200字でまとめています)
※内容・データ等は2020年度発行された教本に基づきます。
何かあれば、コメント欄にコメント大歓迎です。
酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)の二次試験の論述対策の内容となっております。


①青森県の概要・数値データ

・日本酒生産数量 3,863kl(全国20位) → 国内生産量の約1%相当
・特定名称酒の比率 約73%(全国14位)
・清酒免許場数 23場(全国34位)
・酒造好適米生産量 1,418t/年(全国16位) → 国内生産量の約1%相当
 (内訳)華吹雪(後述)982t、華想い(後述)269t、豊杯 134t
・酒米:自給自足タイプ
・酒質:郷土料理の濃いみそ味に合う、濃淳でしっかりした酒質
    及びイカやホタテの甘味に合う穏やかな酸味とクリアで柔らかい酒質

②概略

〇プロフィール

奥入瀬渓流や白神山地の湧き水など、上質な清水が豊富な地であり、その美しい水を思わせるクリアな酒質のお酒が多い。
一方、太めの酸と厚みのある味の酒もある。
酒蔵は、弘前周辺八戸近辺に大別される。

〇歴史

*弘前
江戸時代初期、弘前藩4代藩主の時代に、大規模な治水工事と新田開発が進む。
⇒米の生産量が拡大
⇒余剰米を使った酒造業が大きく発展
⇒江戸時代中期には、藩内の酒蔵は200軒を超すほどに栄えた
*八戸
元禄期に東廻り航路が開発
⇒海路で近江商人が八戸入り
⇒製法の優れた酒造技術を持ち込む
⇒八戸の酒造りが大きく発展(一次試験でも出題されました)
明治期に、純粋酵母醸法確立。
⇒酒母を使わず、短期間で酒造りする革新的な醸造法
⇒これにより、四季醸造も可能となる
青森県産業技術センターの弘前工業研究所
酒造用酵母「まほろば華酵母」開発
華酵母吟酵母醇酵母芳酵母の4種類
酒造好適米の開発
純米酒向き「華吹雪」:極大粒・心白発現率が高く、心白大きい
 But, 心白が大きすぎるため高精米には不向き!
吟醸用酒米華想い」:山田錦 × 華吹雪
            線状・点状の小さい心白が多く、高精米が可能

〇その他

醸造量のうちの特定名称酒比率が高く、青森県内の酒蔵は、普通酒から高品位な酒への路線変更が早かった。
概ね県産米で酒造りを担っている。(自給自足タイプ)

③キーワード抽出~論述で採点基準となりそうなものを中心に抜き出します

・上質な清水が豊富 → クリアな酒質 but 太めの酸と厚みのある味の酒もある。
・酒蔵:弘前周辺と八戸近辺に大別
・元禄期の東廻り航路 → 明治期の純粋酵母醸法 → 四季醸造
・青森県産業技術センターの弘前工業研究所(字数稼げる)
 →華酵母・吟酵母・醇酵母・芳酵母の4種類からなる「まほろば華酵母」
 →純米酒向きの「華吹雪」、吟醸用酒米「華想い」
・酒米「自給自足タイプ」
・特定名称酒比率高い → 路線変更早期

④200字まとめ~②・③をもとにまとめていきます

『青森県は、上質な清水が豊富なため、クリアな酒質のお酒が多い。一方、太めの酸厚みのある味の酒もある。酒蔵は、弘前周辺八戸近辺に大別される。元禄期の東廻り航路で、近江商人から醸造技術伝承される。明治期に純粋酵母醸法を開発、四季醸造が可能となる。青森県産業技術センターが、華酵母・吟酵母・醇酵母・芳酵母の4種類のまほろば華酵母を、純米酒向きの華吹雪及び吟醸用酒米の華想いを開発。酒米は自給自足タイプ。』(199字)
※あくまで一受験生がまとめたものなので、これを丸暗記しても満点が取れる保証はありません。

⑤次回予告

次回は、「みやぎ・純米酒の県」を宣言している宮城県を取り上げます。

テイスティング及び論述と様々な対策が必要になりますが、共に頑張りましょう!!
ちなみに、浪花酒造の大吟醸及び純米大吟醸は、明利酵母(セルレニン耐性酵母)かつ山田錦で醸しているため、酒ディプロマのテイスティングの練習に最適です。

大阪泉州の酒蔵の酒ディプロマ受験生・酒造り見習い 成子 善一

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