酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)二次試験論述対策⑩~石川県編

2021/09/07
by 成子 和弘

石川県(P.128-129)
~天下の美酒「加賀の菊酒」

忙しい方は⑤のみをご覧ください。(200字でまとめています)
※内容・データ等は2020年度発行された教本に基づきます。
何かあれば、コメント欄にコメント大歓迎です。
酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)の二次試験の論述対策の内容となっております。


➀前回(富山県)の復習

富山県農場技術センターで吟醸酒用に開発された酒米は何ですか。
⇒回答は、富山県編をご覧ください。

②石川県の概要・数値データ

・日本酒生産数量 5,731kl(全国16位) ⇒ 国内生産量の約1%相当
・特定名称酒の比率 約82%(全国9位)
・清酒免許場数 42場(全国16位)
・酒造好適米生産量 1,455t/年(全国15位) ⇒ 国内生産量の約1%相当
 (内訳)五百万石 1,165t、石川門 172t、山田錦 83t
・酒米:移入依存タイプ

③石川県の概略

〇歴史

・石川県お酒は万葉集に初めて登場。
室町時代後期、「加賀の菊酒」が加賀国で造られ、京に運ばれた。
太閤秀吉の醍醐の花見で「加賀の菊酒」が振る舞われた。
・江戸時代後期、酒屋働き専門の出稼ぎの酒男が「能登衆」⇒能登杜氏の起源
・明治、近江の大津に能登杜氏を斡旋する「能登屋」登場
・明治後半、能登杜氏が酒造講習会や自醸酒鑑評会を毎年開催⇒酒造技術向上に寄与
 ⇒三大杜氏に続く杜氏流派として認知される。
・酸が少なく口当たりがなめらかな「金沢酵母」がきょうかい14号酵母として分離。
 ⇒吟醸酒造りに向く

〇その他

酒米移入依存タイプ 日本酒生産量>酒米生産量
・山廃酛と吟醸造りを組み合わせ、口当たりがなめらかだが、後味にはしっかりボディを感じられる山廃吟醸のスタイルをいち早く確立。

④キーワード抽出

・万葉集に登場
・室町時代後期、加賀の菊酒が京に運ばれる。
・太閤秀吉の醍醐の花見で加賀の菊酒が振る舞われる
・出稼ぎの酒男=能登衆⇒能登杜氏の起源
・能登屋登場
・金沢酵母がきょうかい14号酵母として分離(吟醸酒に向く)
・酒米移入依存タイプ
・いち早く山廃吟醸スタイル確立

⑤200字まとめ

『石川県の酒は万葉集に登場。太閤秀吉の醍醐の花見で加賀の菊酒が振る舞われた。出稼ぎの酒男を能登衆と呼んだ。能登杜氏の起源である。近江の大津に能登杜氏を斡旋する能登屋が明治に登場。酸が少なく口当たりがなめらかな金沢酵母がきょうかい14号酵母として分離。吟醸酒に向く。酒米移入依存タイプ山廃酛と吟醸造りを組み合わせ、口当たりはなめらかだが、後味にはボディを感じられる山廃吟醸のスタイルをいち早く確立した。』(199字)
・キーワードをまんべんなく取り入れて記述した。
・加賀の菊酒、金沢酵母あたりは触れておきたい。

⑥次回予告

酢酸イソアミル系の香りと低い酸、きれいでなめらかな吟醸酒が売りの静岡県を取り上げます。
当時無名だった静岡県が1986年にいきなり全国新酒鑑評会で金賞受賞数全国一位に躍り出る。
その背景に迫りたいと思います。こうご期待!

テイスティング及び論述と様々な対策が必要になりますが、共に頑張りましょう!!
ちなみに、浪花酒造の大吟醸及び純米大吟醸は、明利酵母(セルレニン耐性酵母)かつ山田錦で醸しているため、酒ディプロマのテイスティングの練習に最適です。

大阪泉州の酒蔵の酒ディプロマ受験生・酒造り見習い 成子 善一

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