新潟県（P.124-125）
～淡麗辛口・平成の吟醸ブームの火付け役

忙しい方は⑤のみをご覧ください。（200字でまとめています）
※内容・データ等は2020年度発行された教本に基づきます。
何かあれば、コメント欄にコメント大歓迎です。
酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)の二次試験の論述対策の内容となっております。

①前回（長野県）の復習

長野県が開発した香り酵母の先駆けとなった酵母は何ですか。
⇒解答は、長野県編をご覧ください。

②新潟県の概要・数値データ

・日本酒生産数量　33,757kl（全国3位）　⇒　国内生産量の約8%
・特定名称酒の比率　約69%（全国20位）
・清酒免許場数　99場
・酒造好適米生産量　12,316t（全国2位）　⇒　国内生産量の約12%
　（内訳）五百万石 9,209t、越淡麗 1,357t、山田錦 936t、たかね錦 435t
・酒米：自給自足タイプ

③新潟県の概略

〇プロフィール

「淡麗辛口」が美味い酒の代名詞　⇒　平成の吟醸酒ブームの立役者
雪解け水が豊富かつ越後杜氏の郷。
「にいがた酒の陣」は来場者数14万人を超える全国最大規模の酒イベント

〇歴史

冬場に関東へ出稼ぎする者増加　⇒　越後杜氏勢力拡大
昭和初期、当時全国で唯一の県立清酒専門醸造試験場設立
新潟県農事試験場では、酒米の開発も強力に推進
⇒「五百万石」開発（一時は生産量日本一を誇った）
　新潟県の酒米生産量が、五百万石を越えたことを記念して命名
　淡麗辛口の酒を造るのに最適
⇒大吟醸酒用に「越淡麗」（越後×淡麗）開発
高度経済成長期、新潟県の醸造試験場が淡麗辛口一本に絞って指導。（淡麗辛口の原点）
軟水醸造で、水っぽかった酒を吟醸造りにして酒質を上げ、炭素ろ過することで、すっきりと水のように飲める酒に仕立てた。
⇒全県一丸となり「淡麗辛口」へと舵を切る
⇒新潟の酒＝淡麗辛口＝美味い酒のイメージ作り成功。
近年、原産地呼称制度も始まる。

〇その他

新潟県酒造組合は、「新潟淡麗」として酒質をアピール
酒造場数は、99場と全国1位！
酒造好適米生産量は兵庫県に次いで、全国2位。
それでも、県内の日本酒の生産数量も多いことから酒米自給自足タイプ。
ほとんど県外へは移出をしていない。

④キーワード抽出

・にいがた酒の陣---全国最大規模のイベント
・関東へ出稼ぎ→越後杜氏勢力拡大
・昭和初期、当時唯一の県立清酒専門醸造試験場設立
・新潟県農事試験場---淡麗辛口に向く五百万石、大吟醸酒用の越淡麗開発
・高度経済成長期、淡麗辛口一本に絞る→新潟の酒＝淡麗辛口＝美味い酒
　⇒平成の吟醸酒ブームの立役者
・近年、原産地呼称制度開始
・新潟淡麗として酒質アピール
・酒造場数全国1位
・酒造好適米生産量は全国2位→それでも酒米自給自足タイプ

⑤200字まとめ

『全国最大規模のイベントのにいがた酒の陣を催す新潟県は関東への出稼ぎで越後杜氏の勢力を拡大させた。昭和初期、当時唯一の県立の清酒専門醸造試験場を設立。新潟県農事試験場にて、淡麗辛口に向く五百万石及び大吟醸酒用の越淡麗開発。高度経済成長期、淡麗辛口一本に絞り、新潟の酒＝美味い酒のイメージを作った。平成の吟醸ブームの立役者となる。酒造場数は全国1位。酒米生産量は全国2位だが、酒米自給自足タイプである。』（199字）
・キーワードが多いので、200字にまとめるのがかえって難しかったです。
・越後杜氏・五百万石・越淡麗・酒造場数及び酒米生産量の順位は確実に押さえておきたい。
・五百万石が淡麗辛口に向くことから、全県一体となって淡麗辛口にシフトしたことが功を奏した。

⑥次回予告

天然の生簀と呼ばれる水産資源の宝庫である富山県について取り上げます。
富山県ではどのような酒造りがされているのでしょうか。
ブログを読む前に、一度考えてからご覧ください。

テイスティング及び論述と様々な対策が必要になりますが、共に頑張りましょう！！
ちなみに、浪花酒造の大吟醸及び純米大吟醸は、明利酵母（セルレニン耐性酵母）かつ山田錦で醸しているため、酒ディプロマのテイスティングの練習に最適です。

大阪泉州の酒蔵の酒ディプロマ受験生・酒造り見習い　成子　善一

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