【ブログ執筆者紹介】
大阪府で最も歴史のある(創業1716年)浪花酒造の現社長、成子和弘による日本酒の知識・雑観・評判等について記載したブログです。
成子和弘は昭和62年(1987年)に浪花酒造に入社。
平成10年(1998年)に10代目として代表取締役に就任。
約35年、日本酒製造業界で従事した日本酒のエキスパート。
日本酒だけでなく、酒類全般の知識も豊富。
日本酒事業に従事したエキスパートの観点から、ご覧頂いている皆様に還元できる日本酒で躓きそうなポイントや雑学、日々の所感・新着・イベント・出店情報・酒ディプロマの勉強・対策等を更新。
ブログ記事一覧は下記
関西空港の対岸、泉南ロングパークでは地元漁港で獲れた新鮮な魚を目の前のバーベキューできる設備が整っています。
毎週土日はマルシェも開催され、地元の名産品業者がたくさん出店します。
浪花酒造も11日(日)に出店します。
10:00~15:00。
バーベキューをアテに地元の銘酒を是非味わってください。
江戸時代より続く酒蔵の蔵元 成子 和弘
当初採用していた商品画像は背景が商品により様々で、商品自体も暗い印象があったので、全て一新しました。
商品を切り抜き背景をなくし、商品の明度を明るくして見やすくしました。
是非、見やすくなった日本酒をご覧ください
和泉山脈に沿って7世紀から行われてきた山岳信仰「葛城修験」。
それが2020年6月、日本遺産に登録されました。
その経塚のひとつが阪南市に残っています。
日本遺産登録記念として、古代米でお酒を仕込みました。
古くからの町という事で「RETORO PORICE」という名前で発売。
甘酸っぱい梅酒のようなお酒ですが、梅酒ほど酸っぱくないです。
是非一度ご賞味ください。
直売所とホームページで販売中!
江戸時代より続く酒蔵の蔵元 成子 和弘
■直売所にて、決済方法を拡充しました!
この度、浪花酒造直売所にて、交通系IC等の決済も受け付けられるようになりました!
浪花酒造は南海電車尾崎駅から近いこともあり、電車でお越しになられる方も多くいらっしゃいます。
電車に乗られる方は交通系ICを使われてる方も多いと思います。
つまり、交通系ICさえあれば財布なしでお酒を買って帰ることができます!
また、直売所では全商品試飲ができますので、ぜひ電車でお越しください!!
サイトができて早1日が立ちました。
使い勝手等を考慮しながら日々メンテナンスをしていきたいと思っております。
本日は新たに、お土産に最適なビリケンボトル・猛虎軍ミニ樽・大阪城ミニ樽・大阪カップ・たこ焼に合う酒・お好み焼きに合う酒を新たにラインナップに追加しました。
お土産物に悩まれている方は、上記商品をご検討ください。
中でも、ビリケンボトル・猛虎軍ミニ樽・大阪城ミニ樽は飲み終わった後もインテリアとして飾ることのできるデザインとなっておりますので、ビリケンさんや樽酒を置いておきたいという方は是非ご検討ください。
今後も日々メンテナンスを行っていきたいと思います。
ご要望等あれば遠慮なくおっしゃって下さい。
応えうるものについては積極的に取り入れ、よりよい浪花酒造のサイトにしていきたいと思っております。
弊社だけではなく、皆様とともにサイトを作り上げていきたいと考えておりますので、ご協力お願いいたします。
皆さんは、日本酒お好きですか?
もちろん、これを読まれている方は、多少なりとも日本酒に興味を
もたれているかただと思います。
でも一般的な日本酒のイメージといえば・・・?
・悪酔いする
・二日酔いがひどい
・甘ったるくてベトベトする
etc...
などでしょうか。
確かに、日本酒にそのようなイメージが強いのは事実です。
では、なぜそのようなイメージがついて回るようになったのでしょうか?
あなたにだけお教えします。 実は、全く違うのです。
現在、焼酎が大ブームですね。専門店も数多くでき、それ専門のバーまで
登場しました。
人気の秘密は、飲みやすく、次の日に残らないという理由からだそうです。
本当に美味しい日本酒を知ることのないないまま、「これが日本酒なんだ。」 と思って飲んでおられる不幸な方が大勢いらっしゃいます。
事実、本当に美味しい日本酒を初めて飲んだ方は、そろってこう言います。
ですから、このページでは、そんな思いをしないためにも、 本物の日本酒について知ってもらいたいと思います。
日本酒には、下記の種類があります。
これらの違いを、書いていきます。
もし日本酒を購入して、その紙パックやラベルに、 「本醸造酒」 「純米酒」 「吟醸酒」 「純米吟醸酒」 「大吟醸酒」 「純米大吟醸酒」 などのいずれも書かれていない場合は、『普通酒』だと思って間違いないでしょう。
じつは、ここに日本酒が誤解される大きな点が隠れていたのです。
米から作られる日本酒の起源は、はるか数千年の昔にさかのぼりますが、 今飲まれているような透明の日本酒ができたのは江戸時代からです。
第二次大戦後、日本国内の米はとても不足していました。 そこで、少ない米から大量の日本酒を作る技法が編み出されました。 お酒に水と醸造アルコールを大量に足して、薄まった味を酸味料や 糖類などで補いました。
米だけで作る純米酒と同じ量の米で、三倍の酒が出来たのです。(三増酒)
スーパーなどでよく売られている、紙パックの日本酒や、安い居酒屋などで 出される日本酒がこれです。 おそらく現在、最もよく飲まれているお酒です。
ただ、数年前、法律の改正で三増酒が廃止され、2倍に増醸する二増酒になりました。
さて、前回は『二増酒』についてご説明しました。 今回では、それ以外の、 『本醸造酒』 『純米酒』 について、書いていきます。
こちらも、二増酒と同じように、醸造アルコールを足して作られます。 ただ、二増酒のように、味そのものが変化するような酸味料や糖類などは 使われません。 醸造アルコールの量も、二増酒のように大量には使用しません。
また、原料となるお米を「精白」します。 「精白」とは、お米の外側の部分を削ってしまうことです。 一般的には30%削って、70%の部分で造られます。
味は、キリリとした辛口になります。 主に食中酒として飲まれることが多いお酒です。
じつは、これこそが昔からの日本酒というべきもので、文字通り、 お米と米麹(麹菌を繁殖させた米)だけを原料として作られる日本酒です。
作り方をごく簡単に言うと、蒸した酒米に麹菌を繁殖させて、酵母を使って 発酵させるというものです。
詳しい作り方については、下のページに写真とイラスト付きで載せていますので、 ぜひご覧ください。 「地酒 浪花正宗ができるまで」
原材料の、水とお米は、どこの物なのか、どうやって作られているのか、 やっぱり気になりますよね。 ぜひこちらをご覧ください。 「原材料の、水と米」
浪花酒造では、純米酒の場合、お米を60%以下に削ってしまいます。 これを「精米度60%」といいます。 100キロあったお米が、精米後は60キロになってしまいます。
ところで、日本の法律で定められている基準では、 ・精米度60%以下を吟醸酒 ・50%以下を大吟醸酒 と、呼んでもいいことになっています。
そして、お米と米麹、そして水だけで作られる純米酒は、完全なる自然食です。
純米酒の味は濃厚で、口の中にお米のうま味が広がります。 ほんのりと甘味を含んだ芳香で、とても口当たりが良いです。 だから日本酒を飲みなれていない方でも抵抗なく飲めます。
皆さんが最初に口にした日本酒は、学生時代、安い居酒屋などで大学や会社の先輩たちに イッキで飲まされた酒、たぶん「二増酒」に違いありません。
さて、次からが、いよいよ日本酒の真骨頂とも言える、吟醸酒に入ります。
さて、今回では、いよいよ 『吟醸酒』 について、書いていきます。 これこそ、日本酒の醍醐味とも言えるお酒です。
これらの日本酒の作り方は、基本的に一緒です。
吟醸酒の場合、原料となる米を、60%以下にまで削ります。
そして、吟醸酒全般の特徴としては、フルーツの香りがします。
え!? 日本酒にフルーツの香りがする???
・・・信じられませんよね?
お米のみが原料である日本酒に、なぜフルーツの香りが? ・・まさか、ひょっとして香り付けの香料を混ぜてるとか?
じつは、ちがいます。
フルーツの香りがする、魔法のモトをお教えしましょう。
・米
・米麹
・醸造アルコール(純米吟醸・純米大吟醸の場合は使わない)
です。
お米を削ることを『精米』というのはお話ししましたが、 実は、これにはすごく時間がかかるのです。
大吟醸用に、50%以下まで削ろうとすると、なんと、50時間!かかります。お米の組織が壊れてしまわないように、ものすごく時間をかけて丁寧に精米します。
「なぜ大切なお米を削ってしまうの? 削ったら栄養が無くなるんじゃないの?」 そんなふうに気になった方もいるかもしれません。
実はここには、日本酒がおいしくなるための秘密が隠されていたのです。
お米には、デンプン質の他に、タンパク質も含まれています。 日本酒を造る際には、お米のデンプン質が必要なわけですが、お米のタンパク質は、 日本酒本来の味の邪魔になってしまうのです。
お米は、外側の部分にタンパク質が多く含まれていて、純粋なデンプン質はお米の 中心部にあります。
そのため、お米の外側のタンパク質の部分を削ることで、味の邪魔になる成分を 取り除きます。
その精米されたお米に、麹菌を繁殖させた後、酵母を使って発酵させるのですが、 ここで面白い現象が起きます。
酵母はお米の栄養分を発酵させてアルコールにするのですが、よく精米されたお米では タンパク質がほとんど無いため、酵母にとっての栄養分が足りないのです。
このままでは充分に発酵することができません。 酵母はそこで、信じられないような魔法を使います。
なんと酵母は、自ら栄養素を作り出し、足りない分を補おうとするのです。
このとき、酵母が栄養素と一緒に香り成分を放出します。
この香り成分が、なんと、リンゴの香りと同じ成分なのです!
すごく不思議なことです!
そしてこの華やかな香りが何ともたまらない良い香りなのです。
もちろん、味のほうも、余分なタンパク質がなくなるため、雑味がない、 お米のうまさを充分に引き出した味になります。
そしてこの発酵段階で、微量の醸造アルコールを足すと、より香りが増し味がキリッと 引き締まります。
|
このあたりは個人の好みにより、どちらが好きか別れると思います。
お値段は、やはりお米をたっぷり使うため、純米吟醸のほうが多少高めになります。
日本酒の最高峰のはずの大吟醸酒。 実は、それを超える究極の日本酒が存在します。
次回では、その究極の日本酒についてお話します。
さて、前回までで、日本酒の吟醸酒までを一通りお話してきました。
今回の記事では、究極の日本酒とも言える、『しずく酒』についてお話します。
これこそ、お酒の芸術品ともいえるものです。
さてここまで、日本酒について一通りはお話しましたが、実はまだ他にも いくつか種類があるのです。
ウイスキーやワインなどと比べると比較的安価な日本酒ですが、じつは日本酒にも、 最高級品にあたるものがあります。
最高級品は大吟醸じゃないのかって? 確かにそうです。 ですが、大吟醸の中の大吟醸と呼ばれるものがあります。
それが、『しずく酒』と呼ばれるものです。
発酵が終わったお米(これを『もろみ』といいます)を絞るとお酒ができてきます。
ところで、ぎゅーっと絞ったあとの残りかすの『もろみ』が、じつは『酒かす』です。 ちなみに、大吟醸の酒かすは、白くてクリームのようにやわらかいので、 スプーンですくえます。
さて、普通の絞り方は先ほども書いたように、しぼり機で圧力をかけて絞るのですが、 『しずく酒』は違います。
この『しずく酒』は、この『もろみ』をつめた布の袋をひもで捧に吊るし、しずくのように自然に垂れてきた部分だけを集めたものなのです。
もちろんこの方法では時間もかかるし、大量に造ることもできません。 浪花酒造でも、毎年数百本しか造れません。
ほんの少ししか作れませんが、その味と香りたるや、お酒の芸術品とさえ呼んでいいほどの感動ものです。
今回までで、日本酒の簡単な説明を説明してきました。
次回では、大手メーカーと地酒メーカーの違い、日本酒の保存方法について 書いていきます。
さて、今回は、大手メーカーと地酒メーカーの違いや、 日本酒の保存方法について、お話していきますね。
大手の日本酒メーカーと、地酒メーカー(浪花酒造)の違いは・・・ 地酒メーカーは、ほとんどが手作業で、お米やもろみと対話しながら造ります。
大手メーカーはコンピューター制御で造るので、一定の品質が保てますが、 やはり心がこもりにくいものがあります。
地酒メーカーは、人間の勘や経験を活かして酒造りを行なうため、 すべてをつかさどる杜氏の腕前が、きわめて重要なものになります。
浪花酒造の成子杜氏は、一級酒造技能士と、日本で一番取得の難しい南部杜氏資格を持っています。
全国新酒鑑評会でも4年連続金賞受賞の腕を持っています。
一般的に、手作業で行っている地酒のほうが値段が高いと思われがちですが、 じつはそうでもありません。
高いのは一部のプレミア付き有名地酒だけで、それ以外の地酒は 実は大手のお酒よりも安いほどです。 そのプレミア付き地酒も、人の手をわたっていくたびに値段が上がるだけで、 本来の販売価格は高いものではありません。
大手メーカーは機械で大量生産しますので、製造費は安いですが、 テレビなどの広告料が高く、それが製品価格に含まれているので、 それほど安くはできません。
日本酒は、環境の変化にたいへん敏感です。 おそらくはワインよりも環境の変化に敏感です。
良い日本酒専門店などでは、日本酒は光が当たらないようにお店の一番奥で、 ライトを消した冷蔵庫に入れられたりしています。 これはもっとも良い保管方法だと言えるでしょう。
家で保管される場合も冷蔵庫が理想ですが、冷蔵庫に入らない場合は、 冷暗所に保管してください。
さて、ここまで数回にわたって、日本酒についてお話してきました。 いかがでしたか?
日本酒はイメージが悪い、長年そう思われてきたせいで、本当の日本酒について 知っていただく機会がなかなかありませんでした。
このページを通じて、本物の日本酒のおいしさについて、 少しでも皆様に伝えられることができたなら、とてもうれしく思います。
よろしければ、このページを他の人にもおすすめしてあげてください。
日本酒のイベントも増えてきて、日本酒を口にすることも多いかと思います。 ぜひ一度、本物の日本酒を味わってみてください。
あなたの日本酒に対する価値観が変わり、日本酒ファンになってくださることを確信しています。
最後までこのメールマガジンをお読み頂き、本当にありがとうございました。
これからも、手作りの伝統を守り続け、おいしさだけでなく 「心を満たす豊かな酒」を提供してゆきたいと願っています。
浪花酒造 代表取締役 成子和弘