浪花酒造の新着情報公開
大阪府に酒蔵が十数社あるのだが、ほとんど知られていない。大阪市内の料飲店でも大阪の地酒を扱っている店は少ない。日本酒に興味をお持ちのネット関連の会社の社長さんが、大阪市内の料飲店で大阪の地酒をほとんど見ないのが寂しい。もっと知ってもらえるようお手伝いをしたいと、今日弊社に訪ねて来られた。大阪府の地酒メーカーは、社員数人程度の小さな蔵が多い上、大阪市内から離れた市や町にある。また、灘や伏見の大手メーカーに挟まれ存在感がない。ただ大阪府の酒蔵同士は仲が良く、月に1度は集まってお酒のアピール方法や品質向上の仕方など話し合い、いろんなイベントも行なっている。今日来られた社長さんは、府内の全部の蔵を回りその情報をネットで発信、また「大阪地酒を飲もう会」のような会を興してファンを増やしてゆきたいとのこと。昨今ネットを使えば、誰でも簡単にPRできる時代になってきた。ただネットでの広告やPR、大手企業から個人事業主まで毎日洪水のように発信されている。その中で効果を上げてゆくのはたいへんだが、ネットの仕事が本業の社長さんなので大いに期待したい。
お酒を飲んでいる途中で、頭痛、吐き気、寒気、イライラなど気分が悪くなる事を悪酔いと言います。よく、いろんなお酒をチャンポンすると悪酔いするとか、日本酒を飲むと悪酔いするとか言われます。お酒のチャンポンが悪酔いの原因なら、いろんな種類のお酒をおさじ一杯ずつ飲んでも悪酔いするのかって事です。宴会などでいろんな種類のお酒を飲んでいると飽きないので、ついつい飲み過ぎてしまうのが原因です。日本酒の場合はどうかと言うと、いろんなアルコール飲料の中で、口に入れる時のアルコール度数が最も高いのが原因です。焼酎もウイスキーももとのアルコール度数は高いですが、チューハイやハイボールにするとアルコール度数は5度前後になります。カクテル類もほとんど5度前後です。日本酒はだいたい15度なので、他の酒類の3倍です。しかも水やジュースなどで割りません。なので悪酔いを防ぐには、食べながら飲む、水と一緒に飲むなどし、アルコールだけたくさん飲む事は控えましょう。
創業200年以上の長寿会社は世界に2000社、その65%、1300社が日本に集中。創業100年以上の会社は世界に8万社、その40%、3万社が日本にある。3万社のうち清酒製造業は700社あり1位だ。その理由のひとつは、清酒製造業は酒税がからむ事業で、簡単に倒産しては困るということで、国からいろんな面で保護されてきたという経緯がある。清酒製造は明治時代から免許制になっていて、いくら大きな資本また政治家とのパイプがあっても参入できなかった。今でも新規の製造免許は取得できない。また海外で日本酒を製造している会社が無いに等しく、海外からの輸入に負けてしまうという事もなかった。ただここ50年、日本酒の需要は落ちる一方で、現在アルコール飲料に占める日本酒の割合は5%しかない。でも、まだまだ1000社近い日本酒メーカーが残っている。これは、厳しい環境下でも長く続いた日本の伝統産業を何としても守ってゆきたいという強い気持ちの表れだと思う。弊社も江戸時代から300年余の歴史がある。もちろん厳しい状況だが、やはり、世界に誇れる伝統があることをもっと発信し、世界中の人達に飲んでもらえるようがんばってゆかねばと考えている。
大阪市立大学ソーシャルイノベーション コースのPR動画に当社が登場します。
大阪市立大学さんが当社にフィールドワークに来られた際に撮影されたものが使われています。
産学連携、国際交流等幅が広がっていくことを期待しています。
こういった異業種や産学連携を行い、1社だけでなく日本全体で盛り上げていけたらいいなと思います。
お酒に強いか弱いかは、ある程度生まれつきのものですが、酔いが回るのを遅らせる方法はあります。よく空腹のままでお酒を飲むと酔いが回るのが早いと言われますが、それには理由があります。お腹(胃の中)に何か食べ物がある状態では、胃と腸の境の管が閉じており、胃にある食べ物がちゃんと消化されてから腸に送ります。胃の中に何もない(空腹)の状態でお酒(液体)を飲むと、胃を通過してそのまま腸から身体に吸収されるので、早く酔ってしまします。よく酔えば気持ちいいという人もいますが、気分が悪くなる人もいます。とにかく、お酒を飲む前に胃の中にある程度食べ物を入れておく事が大事です。宴会時、最初みんなで乾杯しますが、まずは烏龍茶などノンアルで乾杯しましょう。私の経験から言うと、満腹に近い状態でお酒を飲むと少々お酒を飲んでも楽です。あと、お酒を飲み始めたら途中で水を飲んで胃の中のお酒を薄めましょう。日本酒業界ではその水の事を「和らぎ水」と言って勧めています。和らぎ水をたくさん飲むともちろん翌日も楽です。
日本酒の製造過程、麹カビと酵母という2種類の菌が使われる。 こうじとこうぼ、言葉の感じが似ているので混同されている方が多いが、全く別の菌であるし働きも全然違う。 麹カビは、お米のデンプンを糖分に変える働き。酵母は、その糖分をアルコール(お酒)に変える働きをする。 いいお酒を造るには、麹と酵母がバランスよく働くことが不可欠だ。 タンクで発酵中、杜氏は毎日糖分とアルコール度数を測定し、その数字を見ながら温度調節やタンクへ加水を行なう。 安全に発酵を進めるには発酵温度を上げるのが一番なのだが、低温で発酵させないと華やかな吟醸香は出ない。しかし、温度を下げ過ぎると途中で発酵が止まってお酒にならない。また麹のみよく働き糖分が出過ぎると、酵母は最後まで働けず、糖分の残った甘ったるい酒になってしまう。この2種類の菌での発酵を専門用語で「並行複発酵」と言うが、麹と酵母の働き、そのバランスを取りながら発酵を進めるのは平均台の上を落ちないよう歩いてゆくのと同じような感覚だ。とにかく、美味しいお酒造りは最後まで気を抜けない。
弊社のお酒で、一升瓶1本1万円の「無我無心」という酒がある。 15年前に初めて1万円の酒を発売した時につけた名前だ。 高級酒を作った場合、メイン銘柄(浪花正宗)とは違う名前を付ける蔵が多い。 私も、高級感があり日本酒らしい名前がないかいろいろ考えていた。 ちょうどその頃、地下鉄 淀屋橋駅で書道展をやっていて、いっぱい「書」が貼りだされていた。 何とはなく見ていたが、その中のひとつ「無我無心」という文字とその言葉の雰囲気にとても惹かれた。 無我無心とは、我欲やよこしまなところのない純粋な心という意味だ。 純粋な心で造るお酒は、なめらかでスーっと飲めるというイメージでとても気に入った。 すぐに書道展の主催者にその書の作者を紹介してもらった。なんと26歳の女性だった。 プロの書家ではなかったので、無我無心のお酒を御礼に渡すだけでラベル採用をOKしてくれた。 さすがに、その文字の雰囲気に惹かれて購入されるお客さんも結構いる。 いい名前を付けることができ満足している。
昭和時代、灘や伏見の大手メーカーの酒はとても人気で、自社の製造だけでは追い付かず、中小の蔵からお酒を買い集めそれらをブレンドして販売していた。しかし、日本酒の需要は昭和48年(1973年)をピークにどんどん減ってゆき、現在ではほぼ3分の1になっている。その間、大手メーカーはどんどん機械化を進め、オールオートメーションで大量に製造できるようになった。なので他社から買わなくてもよくなった。現在、中小蔵からお酒を買っている大手メーカーはほぼ無いに等しい。逆に、自社で造らなくなった中小蔵に分けてあげている状況だ。オールオートメーションのお酒と中小蔵の手造り酒、どちらが美味しいか?それは、個人個人味わって決めてもらうしかない。
日本酒には見向きもしなかった女性ファンが年々増えてきてるのがうれしい。吟醸や大吟醸はフルーティーでほんのり甘く女性好みの味だからだ。日本酒イベントでも最近はその参加者の半数が女性だ。見ていると一般的に男性はお酒の味にあまり興味ない。お酒に酔ってみんなでワイワイやるのが目的。女性はお酒の味そのものに興味があり、このお酒は香りがいいとか、甘いとか飲みやすいとか、しっかり味の評価をしている。女性は家で料理を作る立場なので、日本酒だけに限らず食べるもの飲むもの何でも味に興味があるのだと思う。でも、まだまだ日本酒はおっさんの飲み物というイメージから脱却していない。ラベルやビン形なども考え、もっともっと女性ファンを増やしてゆきたい。
日本酒の中で一番の高級品は大吟醸です。大吟醸は酒米を50%以上削ってしまうので、もちろん原料代が高いです。それ以上に他の酒に比べ、手間がかかりまた技が必要だからです。日本酒の製造過程で大事な順として、1麹(こうじ)2酛(もと)3造り(つくり)と言われます。いい麹を作ることが最も大事だということです。いい麹を作るために一番大事な事は、いい蒸米を作ることです。いい蒸米を作るために一番大事なことは、蒸す前のお米が適度に吸水されていることです。吸水が少ないと、蒸したあと米の芯が残っています。吸水が多すぎると、おかゆのように粘ってしまいます。いい蒸米ができないと、その後の作業をいくらがんばってもいいお酒になりません。精米したお米、精米率が高い(小さくなればなるほど)吸水時間が早くなります。水に浸漬している時間、30秒早いか遅いかによって大きく変わってきます。この浸漬時間を見極めるのが杜氏の一番の技です。同じ品種で同じ精米歩合でも、もとの米の水分量、精米後の日数、浸漬する水の温度などによって変わります。大吟醸の酒米の浸漬時間を測るのに、杜氏らはみんなストップウォッチを使っています。それほど微妙で、いい酒になるかどうかの一番のポイントだからです。