浪花酒造の新着情報公開
美味しい日本酒でも、保管方法がよくなければ美味しくなくなります。ほとんどの方は低温で保管するのがいいというのは知ってますが、光に弱いことは案外知られていません。一番悪いのは太陽光です。太陽光に3~4時間当たると、日光臭という嫌な臭いが付き飲みたくなくなります。それと蛍光灯の光(紫外線)もよくないです。スーパーや酒販店で蛍光灯のそばに陳列してるお酒はなるべく買わないように。また購入し持ち帰ったお酒が冷蔵庫に入らない場合、光に当たらない部屋で保管してください。またビンの色も紫外線の影響を受けやすい色と受けにくい色があります。黒、茶、緑は受けにくいです。透明やブルーは影響を受けやすいです。夏のお酒としてさわやかに見えるよう透明やブルーのビンに入ってるお酒もたくさんありますが、透明やブルービンは避けましょう。
令和元年10月、日本に上陸した台風19号、全国各地に甚大な被害をもたらした。あちこちの大きな河川が決壊し浸水、なんと全国で10万軒の家屋に被害にあった。瓦が飛ばされた家屋も多く、台風通過後多くの家の屋根がブルーシートで覆われた。浪花酒造の酒蔵と本宅の瓦も2tトラック3台分飛ばされた。瓦業者に点検してもらったところ、瓦を葺いてから150年~200年経っておりもう寿命だと言われた。また瓦の下に厚い土を敷いているが、それが非常に重く大地震に弱い構造になっているとの事。今回の災害を機会に瓦を葺き替え、また瓦の下には土を敷かずに断熱材等で軽くすべきだとアドバイスいただいた。そうして令和2年は酒蔵の瓦、令和3年は本宅の瓦を葺き替えた。どちらも3万枚の瓦の葺き替えで4ヶ月近くかかった。台風対策として、瓦を漆喰(しっくい)と針金で固定した。大規模工事のため会社事務所も移転しなければならなかったが、なんとか今年の5月にやっと葺き替えが終了した。今回の葺き替えで200年後まで大丈夫だという事だ。文化財建造物を守ってゆくのはたいへんだが、やはり何百年も続いた日本の素晴らしい伝統は守ってゆかなければと思う。
昨日今日と富士24時間耐久レースに知り合いが出場したので、富士スピードウエイに応援に行ってきた。エンジン排気量の違いで5つの部門があり、知り合いは彼の属する部門で見事2位に入賞した。ところで今回の富士レースの話題は、トヨタが水素エンジン車を投入、なんと豊田章男社長本人がレーサーとしてその車で参戦した事だ。水素はCO2を排出しないエネルギーとして今後注目のエネルギー。水素と酸素が結びつく燃焼エネルギーを動力として使用する。水素の燃焼速度はガソリンの8倍あるそうで、エンジンの立ち上がりが早いが高温では自着火してしまうのが欠点。今回の水素エンジン車、順位こそ最下位に近かったが24時間走り切った事で、今後水素エンジンが現実のものとなる可能性を大いに示したと思う。
一般的なきき酒の方法はお酒を口に含んだあと、口から軽く息を吸い込み、ズルルと音を立てお酒が舌全体に行き渡るようにし味を見そのあと吐き捨てます。飲むと酔ってしまって味がわからなくなるからです。舌先は甘味を感じる部分、舌の両端は苦みを感じる部分、舌の奥は辛さを感じる部分など、感じる部位が分かれているので舌全体に行き渡るようにして総合的な判断をしています。特に品評会の審査員は一度に何百ものお酒をきき酒するので、ひとくち口に含んだ感覚のみで判断しています。でも実際、食事時にお酒を飲む時(晩酌)はズルルなんて音を立てず、すぐに飲み込んでしまいます。その上ひとくちだけじゃなく同じ酒を何杯も飲みます。こういう理由で、品評会で好成績のお酒はひとくち飲むのには美味しいけど、何杯も飲んでいると飲み飽きてしまうことがあります。逆にひとくち目はそうでもないけど、何杯も飲み続けられる酒もあります。美味しいお酒って時と場合によって違うし、何を食べながら飲んでいるかによっても変わるのでなかなか難しいです。
浪花酒造でできた酒粕を貝塚市の奈良漬会社、辻漬物さんに納めている。そこでできた奈良漬を弊社の直売所でも販売している。なかなか好評で、奈良漬だけを購入に来るお客さんも大勢おられる。奈良漬は江戸時代、奈良に住む漢方医がウリの粕漬けを「奈良漬」という名で売り出したのが始まりとされている。奈良漬はごはんのお伴として最適だし、お酒のアテにもなる。辻漬物さんは、ウリだけでなくきゅうり、西瓜(すいか)、しょうがの4種類を製造しているので、直売所で4種類とも販売している。ウリは一般的なので一番の売れ筋だが、しょうががおすすめだ。しょうが奈良漬はスーパーに売ってないので知られていないが、試食された方の9割が購入される隠れた人気商品。奈良漬の効果をネットで調べると、免疫力を高める、がん予防、肌の保湿、肥満予防などたくさんの効果がある。是非一度召し上がってください。
昨今、限りある資源の有効活用があちこちで叫ばれています。一般には知られてませんが、お酒(日本酒と焼酎)の一升ビン、もう何十年も前から日本ではほぼ9割がリサイクルされています。個人で一升瓶を購入される方はまれですが、飲食店さんは100%一升瓶での購入です。飲食店で空いた一升瓶、酒販店が持ち帰り、それを酒ビン業者が引き上げ、それを洗ビン会社が先ビンします。洗ビンされたビン、また酒ビン業者が酒造メーカーや焼酎メーカーに販売します。酒造メーカーも新ビンを買うより、リサイクルビンの方が安いので、ほとんどリサイクルビンを購入します。なので、一升瓶はリサイクルの優等生です。個人で一升ビン商品を購入された方でも、空きビンを酒販店に持ち込めば1本10円~15円で買ってくれます。もちろん紙パックやペット入りの方が軽くて割れないからいいのですが、もし限りある地球資源を守ってゆこうという崇高なお考えなら、一升ビン商品を購入し、空きビンを酒販店さんにお持ち込みください。
今日はお酒の話題じゃなく、コロナワクチンについて。みなさん不思議に思いませんか?優秀な人材がいっぱいいる日本で、なぜコロナワクチン開発できないのか?なぜ外国頼みなのか?日本はもう先進国ではないのか?ほんとに歯がゆく思っています。先日の日経新聞に日本がワクチン開発に消極的な理由が掲載されていました。新開発の薬品やワクチンを認可するかどうか決めるのは厚生労働省。これまで厚生労働省で認可された薬品やワクチンを使用し、その副作用で重病になったり死亡したりすると、そのたびに厚生労働省の担当者が訴えられたり、国が多額の損害賠償金を払わなければならないことで、国も厚生労働省も及び腰になっているのが一番の理由だと書かれていました。一般の商品の良し悪しはすべて製造会社の責任ですが、薬品やワクチンは厚生労働省が認可するので、認可したところが責任を負うことになる。もちろん現在コロナワクチンを開発している日本の会社もあるけれど、厚生労働省はほぼ100%効果がないと認可しないので、その実証に何年もかかるということ。特にワクチンは、ウイルスそのものを注射するので、免疫力の高い人と低い人ではかなりの差があるように思う。副作用で重症や死亡した人にどう対処するのかきちっと法律で決めないと、今後日本では誰もワクチン開発しないと思う。
大阪府に酒蔵が十数社あるのだが、ほとんど知られていない。大阪市内の料飲店でも大阪の地酒を扱っている店は少ない。日本酒に興味をお持ちのネット関連の会社の社長さんが、大阪市内の料飲店で大阪の地酒をほとんど見ないのが寂しい。もっと知ってもらえるようお手伝いをしたいと、今日弊社に訪ねて来られた。大阪府の地酒メーカーは、社員数人程度の小さな蔵が多い上、大阪市内から離れた市や町にある。また、灘や伏見の大手メーカーに挟まれ存在感がない。ただ大阪府の酒蔵同士は仲が良く、月に1度は集まってお酒のアピール方法や品質向上の仕方など話し合い、いろんなイベントも行なっている。今日来られた社長さんは、府内の全部の蔵を回りその情報をネットで発信、また「大阪地酒を飲もう会」のような会を興してファンを増やしてゆきたいとのこと。昨今ネットを使えば、誰でも簡単にPRできる時代になってきた。ただネットでの広告やPR、大手企業から個人事業主まで毎日洪水のように発信されている。その中で効果を上げてゆくのはたいへんだが、ネットの仕事が本業の社長さんなので大いに期待したい。
お酒を飲んでいる途中で、頭痛、吐き気、寒気、イライラなど気分が悪くなる事を悪酔いと言います。よく、いろんなお酒をチャンポンすると悪酔いするとか、日本酒を飲むと悪酔いするとか言われます。お酒のチャンポンが悪酔いの原因なら、いろんな種類のお酒をおさじ一杯ずつ飲んでも悪酔いするのかって事です。宴会などでいろんな種類のお酒を飲んでいると飽きないので、ついつい飲み過ぎてしまうのが原因です。日本酒の場合はどうかと言うと、いろんなアルコール飲料の中で、口に入れる時のアルコール度数が最も高いのが原因です。焼酎もウイスキーももとのアルコール度数は高いですが、チューハイやハイボールにするとアルコール度数は5度前後になります。カクテル類もほとんど5度前後です。日本酒はだいたい15度なので、他の酒類の3倍です。しかも水やジュースなどで割りません。なので悪酔いを防ぐには、食べながら飲む、水と一緒に飲むなどし、アルコールだけたくさん飲む事は控えましょう。
創業200年以上の長寿会社は世界に2000社、その65%、1300社が日本に集中。創業100年以上の会社は世界に8万社、その40%、3万社が日本にある。3万社のうち清酒製造業は700社あり1位だ。その理由のひとつは、清酒製造業は酒税がからむ事業で、簡単に倒産しては困るということで、国からいろんな面で保護されてきたという経緯がある。清酒製造は明治時代から免許制になっていて、いくら大きな資本また政治家とのパイプがあっても参入できなかった。今でも新規の製造免許は取得できない。また海外で日本酒を製造している会社が無いに等しく、海外からの輸入に負けてしまうという事もなかった。ただここ50年、日本酒の需要は落ちる一方で、現在アルコール飲料に占める日本酒の割合は5%しかない。でも、まだまだ1000社近い日本酒メーカーが残っている。これは、厳しい環境下でも長く続いた日本の伝統産業を何としても守ってゆきたいという強い気持ちの表れだと思う。弊社も江戸時代から300年余の歴史がある。もちろん厳しい状況だが、やはり、世界に誇れる伝統があることをもっと発信し、世界中の人達に飲んでもらえるようがんばってゆかねばと考えている。