浪花酒造の新着情報公開
地元の田(波有手)で今年も田植えが終わった。いつもならお酒好きの方々に集まってもらい田植えイベントをするのだが、今年はコロナのため農家さんにお願いした。地元で酒米作りをしていない頃はお米の成長には興味なかったが、地元で酒米作りをするようになってから、その田を見るたびに、順調に成長してきたなとか、炎天下で水が不足していないだろうかとか、害虫にやられていないだろうかとか、いろいろ心配するようになった。やはり一番の心配は稲刈りの時期が近づくにつれ台風がどんどん上陸してくることだ。田植えから4ヶ月かかってやっと実ってきたのに、台風で一夜にして倒されてしまうことがよくある。品種改良で倒れにくい稲がどんどん開発されているとはいえ、最近は超大型の台風が多い。直撃しないでくれという神頼みしかない。波有手のお酒はなかなか人気で、地元の人達の誇りにもなっている。今年も、豊作でいいお酒になることを心から願っている。
梅雨ですが、毎日暑い日が続きます。日本酒好きの方でも夏になると、やはりビールやチューハイに手が伸びてしまします。ビールやチューハイは、のど越しのキレがよくすっきりしていますが、味わいでは日本酒に及びません。最近、夏でもさわやかに飲める炭酸入り日本酒もよく見受けるようになってきました。ただ炭酸入り日本酒は、やはり普通の日本酒に比べ割高です。なんと家庭で簡単に炭酸入りのお酒やジュースを作れる道具があります。ネットで「炭酸水メーカー」で検索してみてください。いろんな種類がありますが、私のおすすめは、ツインスパソーダまたはソーダスパークルという商品で7000円前後です。お酒でもジュースでもその容器に720ml~900ml入れ、炭酸カートリッジを取り付けたフタを締めてゆくだけで、自動的に炭酸を溶かし込むことができます。好きなお酒を炭酸入りにして、夏でもさわやかに飲みましょう!
6月第3日曜日は父の日。日本酒が売れる時期は12月がダントツだが、その次は父の日の10日前位から前日まで。今日は父の日の前日なので直売所は忙しかった。父の日がいつどのように始まったのか調べてみた。アメリカだそうだ。ワシントン州のソノラという女性の父親が男手ひとつで6人の子供を育てあげた。ソノラはそんなお父さんを尊敬していた。昔から母の日はあるのにどうして父の日がないのかと疑問に思い、地元の牧師に相談したのがきっかけで父の日ができたとのこと。1907年に母の日ができてから65年後の事。今はアメリカだけでなくアジア、ヨーロッパでも父の日があるようだ。6月第3日曜日なのは、ソノラの父親の誕生日がその頃だったかららしい。母の日に比べ父の日は影がうすいが、お父さんにお世話になったから恩返ししたいと思っている人も多い。私も娘から父の日のプレゼントを何回かもらったがあるが、やはりうれしいものだ。直接育児にかかわってきたのは母親だが、育児のためのお金を稼いできたのは父親だ。父の日に母の日と同じように感謝の気持ちを贈る習慣は無くならないで欲しい。
浪花酒造の仕込み水はすべて井戸水(地下水)。これは和泉山脈からの伏流水。酒蔵の近くに男里川(おのさとがわ)が流れているが、この川の水も地下に浸み込んでゆき伏流水となっている。この伏流水を守るには、男里川をきれいに保つことが一番だということで、8年前に「和泉の水を育む会」という会を設立した。メンバーは、私を含め、自然環境に危機を持ってる人、地下水でスイミングプールを経営してる人、元学校の先生、漁業組合長など数名。いろいろ議論している中で、やはり行政との共同事業でやってゆかないと、少人数では川の環境を守ってゆくのは難しいとなり、阪南市、泉南市、大阪府土木事務所、他の環境保護団体との協同事業「男里川 環境保全委員会」という組織を作った。その委員会では、市民も巻き込み男里川一斉清掃、親子水生生物観察会、小学生対象の水辺の学校、小中学生の環境美化ポスターの募集など行なってきた。この活動を通じ、川といってもただ山から海に水を流すだけの役割ではなく、多くの生き物の生活の場だと知った。川にジュースや牛乳などの飲み残しを捨てるだけでも大きな汚染になることを知った。川をきれいにすることは、その水が流れ込む海もきれいにすることになり、海の魚のためにもなることを知った。この活動をもっと広め、子や孫の代まできれいな男里川またその地下水も守ってゆかねばと思っている。
浪花酒造の直売所、どんなカードでも支払いできるようにしている。現金orカード、どちらでの支払いが多いか興味を持って見ている。日によって違うが、平均すると3分の2が現金払いだ。日本は他国に比べるとまだまだ現金払いが多い。国の方針として、カード払いを勧めているようだが、カード払いは販売業者が売上の3%~4%の手数料をカード会社に支払わねばならない。私は自分が消費者の立場でも、ただの支払いにカード会社に3~4%もの手数料を持ってゆかれるのはイヤだ。だから、スーパーやコンビニのようにお店でチャージできるカードはカード払いするが、それ以外は現金で払っている。財布盗難の多い国はカードが安全でいいが、日本のように財布を失くしても戻ってくる国では普通に現金で支払えばいいのでは。カードで払っていると、何でもすぐ買えるのでついつい買い過ぎてしまうのも問題だ。カード破産する人も増えてくると思う。
浪花酒造酒蔵と成子家本宅、国の登録有形文化財に指定されている。重要文化財は誰でも知っているが、登録文化財は25~6年前にできた比較的新しい制度なので、まだまだ一般的には知られていない。登録文化財の定義は築50年以上経った建物で、今後重要文化財になる可能性のある歴史的、景観的に貴重な建物のこと。登録申請があった場合、専門家が調査をして指定するかどうか決める。現在全国には約1万3千軒の登録有形文化財があり、都道府県別では大阪府が一番多く765軒ある。見学者の方々にはよく、くぎ1本打つにも国の許可が要るのですねと言われる。重要文化財はそのような制約が多いが、登録文化財はそれほどでもない。ただ、改修や修繕に国から補助金は1円も出ない。国からすれば、文化財という名誉を与えるから重要文化財になるまでしっかり自分のお金で維持管理しろということだ。うちの建物の素材となっている木材は、樹齢が何百年何千年のもの、また非常に珍しい種類の木など、いくら大金を出しても手に入らないものが多い。やはり一番怖いのは火災。消防署も消火設備の点検のためよく見回りに来る。日頃から細心の注意払って守ってゆかねばと思っている。
今朝の毎日新聞の「ひと」という欄に、パリの醸造所から日本酒の世界展開を目指す日本人、稲川琢磨(33歳)さんが取り上げられていた。経営コンサルタント会社勤務だったが、ある日すし店で口にした日本酒に魅了され、こんなにおいしいのに、ほとんど海外で流通していないのはもったいないとベンチャー企業「WAKAZE」を設立、日本の酒蔵で酒造りのノウハウを学んだ後、パリの醸造所で日本酒を製造。その酒がパリの日本酒品評会で最高賞受賞。なんと次はアメリカで造りたいと。日本酒の海外輸出、増えているとはいえ現地で造っているメーカーはほとんどない。日本酒メーカーの保守的体質に他ならない。業界外のチャレンジ精神旺盛な若者が、その殻を破って突き進んでいる見本だと思う。国内では凋落一方の日本酒。世界に目を向けると明るい未来がぐっと広がりそうだ。
スーパーに行けば全国から集められた何十種類ものお酒が並んでいるし、安くて知名度のある商品もいっぱいある。でもわざわざ、うちの直売所に来られるのは、うちのお酒のファンだからだ。本当にありがたい。近所に、地元で人気のある おかき屋さんがある。私も好きでよくに買いに行く。もちろんスーパーには安くて知名度のあるおかき、いっぱい売ってる。でも、地元で捕れた魚を混ぜて焼いているとか、昔から食べ慣れているなどの理由で地元のおかき屋さんに買いに行く。全国的な知名度も無いし安くもないけど、わざわざ買いに来てくださるような魅力をいかに作ってゆくかが一番大事だ。ただ美味しいだけじゃなく、やはりいかに地元に密着した商品を作ってゆくかがポイントだと思う。
浪花酒造から車で南に10分ほどの所に波有手(ぼうで)という地区があり、昔から米作りが盛んだった。地元の中学校教師を定年退職後、波有手で米作りに励んでいた酒好きの先生が3年前、自分が栽培した米でお酒を造って欲しいと弊社に来られた。地酒は地元のお米で作るのが本筋だと思いすぐに承諾した。先生は何十年も教師をしてきて教え子も大勢いるので、その子らにどんどん勧めますとおっしゃった。その米で造った酒、どんな酒になるのか心配したが結構いい酒になった。新製品を作った場合、あらゆる方法でPRしないとなかなか売れないが、さすがに先生の力。先生に勧められてと言って大勢の人が直売所に買いに来られた。地元に密着した商品、やはり地元では口コミで人気になるのだととても感じた。今後も、もっと地元に密着した商品を作ってゆきたい。
10年前から「たこ焼きに合う酒」と「お好み焼きに合う酒」を製造販売してます。なぜこんな酒を作ったのか?15年前、浪花酒造のすぐそばにたこ焼店がオープン。数種類のソース味や出汁味があり、好きな味のたこ焼きを選べるのが醍醐味。そのたこ焼き店がオープンしてから2~3年経ったある日、酒造り職人たち、仕事が終わったあと、たこ焼きを食べながらうちのお酒を飲んでいたので、私が「たこ焼き食べながらお酒?」と尋ねた。すると「お酒と合うからですよ。」という返事。そうなのか!大阪の地酒が大阪名物のたこ焼きに合うとは、これほど素晴らしいことはない。「たこ焼きに合う酒」という名の酒を出そうと決めました。いろいろ試行錯誤し、ちょっと辛めでキレのあるお酒がどんなソースや出汁にも合うことがわかり発売しました。ラベルデザインも可愛く、全国問屋さんの目にも止まり、その年は年間1万本売れました。その後「お好み焼きに合う酒」も作って欲しいとの要望で、それも製造しています。たこパーのお友に是非「たこ焼きに合う酒」「お好み焼きに合う酒」をどうぞ!