新着お知らせ・日本酒豆知識・雑感

2021/04/01
by 成子 和弘

蔵元【ブログ執筆者紹介】
大阪府で最も歴史のある(創業1716年)浪花酒造の現社長、成子和弘による日本酒の知識・雑観・評判等について記載したブログです。

成子和弘は昭和62年(1987年)に浪花酒造に入社。
平成10年(1998年)に10代目として代表取締役に就任。
約35年、日本酒製造業界で従事した日本酒のエキスパート。
日本酒だけでなく、酒類全般の知識も豊富。

日本酒事業に従事したエキスパートの観点から、ご覧頂いている皆様に還元できる日本酒で躓きそうなポイントや雑学、日々の所感・新着・イベント・出店情報・酒ディプロマの勉強・対策等を更新。

ブログ記事一覧は下記


精米後の米ぬか米粉

2021/05/04
by 成子 和弘

吟醸酒とか大吟醸酒は酒米を半分または半分以上削って(精米して)から使うので、よく「もったいない!」と言われます。
でも心配ありません。

米ぬかや米粉、それだけでちゃんと利用されています。
米ぬかは、玄米の一番周囲の部分で色が茶色っぽい。油分が20%近くあり植物油脂の重要な原料となっています。
その他、肥料、漬物、きのこの培養に使われています。

米を精米してできる粉は最初茶色(米ぬか)ですが、精米を進めるとだんだん白くなってきます。
これが

日本酒の輸出

2021/05/03
by 成子 和弘

国内での日本酒消費量は減る一方だが、輸出はどんどん伸びている。
これは、世界的な和食ブームで日本食レストランが増えているので、それにくっついて日本酒も増えている。

和食が人気の理由は、全般的にカロリーが低くヘルシーな事。
日本人が世界一の長寿国なのは、ヘルシーな日本食を食べているからだと思われている。

ワインと日本酒

2021/05/02
by 成子 和弘

私は、大学を卒業したあとメルシャンワインに入社。
山梨県のワイン工場でワイン製造していました。

ワインと日本酒の製造方法を比べるとワインはメチャクチャ簡単です。
ブドウを破砕しジュースにしてタンクに投入、酵母を入れるだけ。
1週間~3週間の発酵でワインになります。

ワインの良し悪しは、

全国鑑評会の審査員

2021/05/01
by 成子 和弘

お酒は食品産業ですが、昔(明治時代)から酒税というものが課せられているので、監督官庁は、厚生労働省(保健所)ではなく、財務省(税務署)です。
なので、保健所は酒類メーカーに監督指導には来ません。税務署員が来ます。

また各県の国税局には国家公務員上級の技術職で採用された方が鑑定官室という部署に配属されています。
酒を専門に勉強し全国の酒造メーカーの技術指導に回っています。
なので、酒造メーカーは鑑定官の方々を先生と呼びます。
この鑑定官の先生方が中心となって鑑評会で審査を行ないます。

浪花酒造の命。井戸水

2021/04/30
by 成子 和弘

今どき、井戸水を使っている家はほとんど無いだろう。
もし井戸が残っていても、飲み水として使えるところもほとんど無いだろう。

浪花酒造の井戸は、300年前の創業当時からずっと湧き出ており、これまで涸れたという話を聞いたことがない。
酒造期間は、仕込みだけでなく、酒米、酒造用具、タンクなどの洗浄に毎日何千リットルもの水を使う。
今でも全く涸れない。
浪花酒造の命と言っても過言ではない。

「正宗」という名称

2021/04/29
by 成子 和弘

全国に「正宗」と付く日本酒が100近くある。

よくなぜ正宗が多いのか質問される。

日本酒に合う料理

2021/04/27
by 成子 和弘

よく、貴社のお酒に合う料理は何ですか?と尋ねられる。
なので、日頃から食事をする時、この料理は日本酒に合うのだろうかと試しながら飲む事が多い。

一般には、造りや魚や野菜の煮物、焼魚、漬物、豆腐料理など和食系が合うと思われている。
もちろん和食に合うが、案外どんな料理にも合う。

酒粕の効用

2021/04/26
by 成子 和弘

昨今、酒粕の効用をマスコミ等でよく見聞きします。

特に4~5年前、NHKの「ためしてガッテン」という番組で取り上げられてからは、年中売れるようになってきました。
NHKでは、酒粕に含まれる<レジスタントプロテイン>が、体内の脂肪、コレステロール、老廃物を吸着して体外に排出する働き、つまり肥満防止の役目があると放送されました。
それとビタミンB2やα-EGも多く含まれており、皮膚のコラーゲン量を増やし保湿に役立ちます。

糖尿病と日本酒

2021/04/25
by 成子 和弘

日本酒好きだけど日本酒は糖分が多いので糖尿病になりやすい。
だから焼酎を飲んでいるという方が結構いる。

糖尿病の原因は、糖分の取り取り過ぎではない。

アルコール発酵

2021/04/24
by 成子 和弘

日本酒、ビール、ワインなどのアルコールは、アルコール発酵によってできる。

発酵の働きをするのは、酵母という微生物。
日本酒もビールもワインも、紀元前から飲まれており2000年以上の歴史があるが、酵母によってアルコールが作られるとわかったのは、200年前に顕微鏡が発明されてから。
それまでは、こうすればお酒ができるという経験だけで作っていた。